CORESERVERのサーバーに付与されるメールアカウントで、カスタムフィルタ同様、特定のドメインから送付されたメールを削除する。
前エントリの電波時計が決着しないまま、またも公私とも多忙となり、月日は無情に過ぎ去っていった。月日の代わりにやってきたものは、日本海対岸からのスパムメールの嵐である。題名・本文とも、とんと皆目つかない、いわゆる「とんとかいも」である(嘘)。明鏡止水の心境で捨て置く、というにはあまりに数が多すぎる。なにせ1通/分だから。
お陰様でこのブログの『CORESERVERのメール設定』は人気があるようで、ひとつこれに乗じてメールネタを増やしてみようと思った。まず試したのは、CORESERVERコントロールパネルの「ドメインメール」→「カスタムフィルタ」からの設定である。ウェブ上にもいくつかの情報があった。ところが、これはサーバ受信時に働くものではないようである。そこで、カスタマサポートにそれとなくprocmailが使えないか問い合わせたところ、以下の回答を得た。
誠に恐縮ですが、サーバーに付与されるメールアカウントにつきましてはカスタムフィルタ機能を有しておりません。
メールソフトなどの機能を用いて、制限いただきますようお願い申しあげます。
その間、30分程度。5つ星を付けて問い合わせをクローズにした。さすがCORESERVER、こうこなくっちゃ。簡にして潔、かつ高速。Simple is best。ggrks(いや、出てこなかったんだけど)。しかし、となると、自分で何とかしなければならない。
Perlのバージョンアップ
前置きが長くなりすぎた。使い慣れたPerlでIMAPクライアントを作り、特定のメールを削除することにする。当m40サーバのPerlは本記事作成時点で5.8系なので、まずはperlbrewで次期仕様の5.16系まであげておく。また、cpanminusをインストールし、クライアントモジュールNet::IMAP::Clientもインストールする。
$ curl -L http://install.perlbrew.pl | bash $ source ~/perl5/perlbrew/etc/bashrc $ perlbrew --notest install perl-5.16.3 $ perlbrew switch perl-5.16.3 $ perlbrew install-cpanm $ cpanm -f Net::IMAP::Client
IMAPクライアントの動作確認
使用するスクリプトは以下のとおり。送信元の正規表現が$TARGET_PATTERN
と一致したら削除、というごく簡単なものである(しれっと送信先をさらしておく)。このサイトの場合、firewheelが<ユーザ名>、m40が<サーバ番号>に相当する。アップグレード済みのサーバではIMAPサーバ(server)が異なっているので、ご注意を。
#!/usr/bin/env perl
use 5.12.0;
use warnings;
use Net::IMAP::Client;
my $FOLDER_TO_SEARCH = q{INBOX};
my $TARGET_PATTERN = qr{qq[.]com \z}imsx;
my $client = Net::IMAP::Client->new(
server => '<サーバ番号>-coreserver-jp.value-domain.com',
user => '<ユーザ名>@<サーバ番号>.coreserver.jp',
pass => '<パスワード>',
ssl => 1, ## use SSL
ssl_verify_peer => 0, ## don't use CA
port => 993,
) or die "failed to connect to the server.\n";
$client->login()
or die "failed to login to the server.\n"
. $client->last_error() . "\n";
$client->select($FOLDER_TO_SEARCH)
or die "failed to select the folder.\n"
. $client->last_error() . "\n";
my $message_ids_ref = $client->search('ALL', '^DATE', 'iso-8859-1')
or die "failed to fetch messages.\n"
. $client->last_error() . "\n";
process($client, $message_ids_ref);
$client->logout();
sub process {
my ($client, $message_ids_ref) = @_;
MESSAGE:
for my $message_id (@$message_ids_ref) {
my $summary_ref = $client->get_summaries($message_id);
next MESSAGE
if !defined $summary_ref || scalar @$summary_ref == 0;
my $addresses_ref = $summary_ref->[0]{'from'};
next MESSAGE
if !defined $addresses_ref || scalar @$addresses_ref == 0;
my $host = $addresses_ref->[0]{'host'};
if ($host =~ $TARGET_PATTERN) {
$client->delete_message($message_id);
}
}
$client->expunge();
return;
}
__END__
これを下記のようにして目的どおりメールが削除されることを確認する。
$ vi ~/bin/mail_processor.pl $ chmod u+x ~/bin/mail_processor.pl $ ~/bin/mail_processor.pl
一定時間ごとの自動作動
上記でスクリプトの動作確認が取れたら、一定時間ごとに自動的に作動させる。そう、cron。まず、“As a Futurist…”さんのポストを参考に、以下のシェルスクリプトを作成する。これを経由しないと、システムデフォルトの5.8系が使用されてしまう。
#!/bin/sh
export HOME=/virtual/<ユーザ名>
export BREWPERL=5.16.3
source ~/perl5/perlbrew/etc/bashrc
perlbrew use "perl-$BREWPERL"
exec "$@"
念のため、このスクリプト経由でもメールが削除することを再確認する。
$ vi ~/bin/env $ chmod u+x ~/bin/env $ /virtual/<ユーザ名>/bin/env perl /virtual/<ユーザ名>/bin/mail_processor.pl >/dev/null 2>&1
再確認後、CORESERVERコントロールパネルの「CRONジョブ」で毎xx分に、つまり1時間ごとに上記コマンドが実行されるようにすればよい。
本記事作成後、念のためメールボックスを覗いたら嵐は過ぎ去った後のようであった。何たることか。
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